- フランチャイズ加盟でも事業再構築補助金の申請は可能?
- フランチャイズ加盟で補助金を受ける際の注意点は?
このような疑問をお持ちではありませんか。
今回は、フランチャイズ事業で事業再構築補助金申請を検討している事業者の方に向けて、事業再構築補助金活用のメリットから注意点まで解説します。
事業化に向けて資金調達にお悩みの方はぜひ参考になさってください。
フランチャイズ加盟でも事業再構築補助金の申請は可能
結論からお伝えすると、フランチャイズ加盟でも事業再構築補助金の申請は可能です。実際に、申請して事業再構築補助金の採択を受けた企業事例もあります。
以下の表は、事業再構築補助金第3回公募の採択結果において、フランチャイズ事業への転換により補助金採択を受けた事業です。
事業計画名 | 事業計画の概要 |
フィットネスサービスの参入で多角化経営を開始し、今後の事業リスクの分散化を図る | コロナ禍の中、打撃を受けた主な取引先の売り上げ低下や、操業停止に伴い当社の売上高が大幅に低下した。フィットネスフランチャイズに参入することで速やかなV字回復を成功させ、多角化経営を開始により、リスク分散化で利益を確保できる企業体質に変容させる |
とんかつ・かつ丼店フランチャイズで新規出店 | とんかつ専門のフランチャイズに加盟・新規出店し、コロナ禍で業績の厳しい既存事業の居酒屋から事業転換を図ります。 |
居酒屋から盛岡初ザンギテイクアウト専門店へ転換する事業再構築 | 居酒屋を岩手県北上市で経営していたが、コロナ禍で売上が激減したため休業。これまで培った飲食サービスのノウハウを活かし、盛岡市に北海道小樽ザンギ名店のテイクアウト専門フランチャイズ業態である「なるとキッチン」として新規出店する。 |
フランチャイズ参入と地域資源を活用したキッチンカー事業の展開 | 既存の来店型店舗とは異なる販売方式として、自ら集客の見込める場所へキッチンカーによる移動販売を行い、「もちもちポテト」と「東和牛」を使用したメニューで事業再起と更なる地域貢献を図る。 |
居酒屋事業から、から揚げ持ち帰り店を出店して新分野展開を図る | 既存の居酒屋だけで、コロナ禍を生き抜いて行くことに限界を感じて、これまでのフランチャイズ店運営ノウハウや社員の理念浸透の強みを活かしてから揚げ持ち帰り店を東北最大のイオンモールに出店し新分野展開を図る。 |
フランチャイズを活用したテイクアウト専門からあげ店の開業 | これまでアルコールや店内飲食を伴う形態で飲食事業を展開してきたが、アフターコロナのニーズに対応するため、フランチャイズを利用してテイクアウト専門のからあげ専門店の事業を開始し、再構築を図る。 |
ホテル業から無煙コンロ活用によるアフターコロナ対応特化型焼肉店の展開 | 競合の進出や長引くコロナの影響により先行き不透明な状況を打破するべく、コロナ禍でも好調な焼肉事業へ乗り出す。房総地域で成功を収める焼肉店のフランチャイズとして経営のノウハウを得つつ経営を行う。 |
ここで紹介しているものだけでも一部です。傾向としては、飲食店や宿泊施設がコロナ禍により売上が厳しくなったことで、自社のノウハウを活かしてフランチャイズ事業をはじめるケースが多く見られます。
ただし、フランチャイズ加盟における事業再構築補助金の採択率は高くありません。あるフランチャイズ本部では、事業再構築補助金の申請も含めて支援をしたものの「採択率が10%程度だった」という声もあります。
フランチャイズ加盟に事業再構築補助金を活用するメリット
事業再構築補助金を活用してフランチャイズ事業を行うメリットとしては、費用を抑えられ、かつノウハウをそのまま活用できるため、事業を早期に収益化できることがあります。具体的なメリットをいくつか解説します。
新たに事業内容を検討する必要がない
フランチャイズは本部が持つノウハウをそのまま活用できるため、自社でサービス内容を考える必要がありません。例えば飲食店であれば料理メニューなどもすでに決まっているため、あとは出店場所と人材の手配さえできれば営業をはじめられます。
また、全国展開するようなチェーン店であれば、すでに知名度もあるため、広告宣伝を積極的に行わなくても集客が可能です。宣伝も本部が行っていることが多いため、加盟店オーナーは店舗のオペレーションや顧客対応に集中することができます。
フランチャイズ本部の支援を受けられる
開業時にフランチャイズ本部からの支援を受けることができます。また営業開始後も、渉外担当など、本部の担当者がつくため、さまざまな経営アドバイスをもらいながら営業できます。
本部は、加盟店の売上ロイヤリティによって成り立っているため、売上を伸ばすための支援は惜しみません。
他店の取り組みを参考にできる
フランチャイズは、同ブランド店舗が他にもあるため、他店の取り組みをそのまま参考にすることが可能です。同じ加盟店で売上が異なるのは、立地条件だけではなく、人材教育、接客対応、環境整備など色々な要素があるものです。
売上が好調な店舗の取り組みを真似ることで、自店舗の改善にもつながるでしょう。
フランチャイズ加盟に事業再構築補助金を活用する際の注意点
フランチャイズ加盟料は補助対象外
事業再構築補助金は何でも使えるわけではなく、用途が限られています。特にフランチャイズ加盟をする際に支払う「フランチャイズ加盟料」は補助対象外となっています。
”建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門 家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、 広告宣伝・販売促進費、研修費(通常枠の場合)”
店舗を建てる土地代は補助対象外
フランチャイズビジネスは販売店や飲食店など店舗を出店することが多いですが、当然ながら店舗を建てる土地が必要です。しかし土地取得に関する不動産費用は事業再構築補助金の対象外となっています。
不動産購入費用が、事業主持ちになるかフランチャイズ本部が用意するかは、フランチャイズ本部との契約内容によって異なりますので注意しましょう。
事業再構築と見なされない事業は対象外
事業再構築補助金は、思い切った事業再構築にチャレンジする事業者の支援が目的です。たとえば、居酒屋を営んでいた事業者がフランチャイズの居酒屋を始める場合や、宿泊業者がフランチャイズのホテルを経営する場合は、思い切った事業転換に該当しないため、事業再構築としてみなされない可能性があります。
事業再構築は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編のいずれかに該当していなければなりません。
コロナ禍による売上減少などの影響がない
事業再構築補助金は、コロナ禍によって売上が減少した中小企業を支援が目的です。例えば、対面接客がメインのサービスで、コロナ禍によって集客が落ち込んだなど、直接的にコロナが影響したことを証明しなければなりません。
コロナ禍でも売上が落ちていない場合や、売上減少の影響がコロナ禍と因果関係がないとみなされた場合は、事業再構築補助金の対象外となります。
また申請時は、コロナの影響を受けないような事業計画を立てることが重要です。たとえば、飲食店であれば、オンライン予約システムやキャッシュレス決済といった、非接触接客ツールを導入することによって、コロナが長期化しても安定して売上を作ることがポイントです。
マーケットに合っていないビジネスは不採択の可能性が高い
フランチャイズ加盟に限らず、思い切った事業転換であってもマーケットに見合っていない事業は不採択になる可能性があります。例えば、観光客が少なく人口減少が続いている町で、ホテル事業を行ったとしても将来的にさらにマーケットが縮小するため、事業が成功する可能性は少ないと判断されます。
事業再構築補助金はそのビジネスが将来的に収益化できると、期待されるものに対して採択されます。採択の判断を出来るだけの事業計画書が作れているかが大きなポイントです。
まとめ|フランチャイズの補助金採択率は高くないが、事業再構築の目的に合っていれば可能性あり
今回は、フランチャイズ加盟における事業再構築補助金申請について解説しました。フランチャイズ加盟でも事業再構築補助金の採択は可能であり、実際に採択事例もあります。
ただし、事業再構築の目的に合っていることが前提になります。また、今までのビジネスの延長では新規性要件に満たない可能性があります。
そのため、事業再構築補助金を活用してまったく新しいビジネスにチャレンジするか、もしくは銀行などの金融機関の融資で現状のビジネスの再建を果たすかどうかは非常に大きな判断となります。
もし事業の方向性にお悩みの場合は、お気軽に当社にご相談ください。当社は事業再構築補助金を中心としたコンサルティングを手掛けており、これまでに支援した企業は採択率90%以上という実績を誇ります。
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