「コロナ禍の影響で売上が激減してしまった」「年々リピーターが減少し10年後が不安」このようなお悩みを抱える中小食品メーカーは少なくありません。中には、経営を安定させるために大手量販店のベンダー(下請け)として稼働している会社も多いでしょう。
しかし、大手メーカーや卸業者に依存したビジネスは立場的に弱くなりがちのため、中長期的にはリスクが伴います。
中小企業の食品メーカーは、どうやったら大手に依存せずに生き残っていけるのでしょうか。ここでは、食品業界を取り巻く環境から、中小食品メーカーが生き残るためのポイント、そして今からできる具体的なビジネスプランまで解説します。
国内市場の現状・課題について
多くの中小食品メーカーが苦境に立たされています。ここでは、国内市場の現状・課題について解説します。
少子高齢化による人口減少が顕著
国内は人口減少が続き、全国的な高齢者の割合増加が問題となっています。東京や大阪などの大都市圏は人口が増えていますが、その他の地方都市を含めた都道府県は人口減少の一途をたどっています。
少子高齢化は、特に地域密着で展開する中小食品メーカーにとって事業存続に影響を与えます。
なぜなら一般的に年齢を重ねるごとに食が細くなりますし、賞味期限切れを気にして食べられる分だけ買うようになります。地域に根ざして商売を続けている場合、顧客の平均年齢や購買ニーズは確実に変化しているため、それにともなって売上は減ってしまいます。
大手量販チェーンやメーカーの寡占化が加速
地域商圏の弱体化による影響は大手量販チェーンでも同様です。そのため、大手量販(コンビニ、百貨店、スーパー等)やメーカー各社は、国内企業としての生き残りを掛けてM&Aを繰り広げています。
M&A以外でも、大手量販店ではプライベートブランドの販売を強化するために、中小食品企業をベンダー(下請け)にしています。そうすると、大手は益々規模が大きくなりノウハウも流れていくため、流通業界の寡占化が進むことになります。
ECサイトによる購買数が急増
総務省が発表した情報通信白書によると国内のインターネット普及率は89.8%となり、70代の高齢者でも74.2%がインターネットを利用すると回答しています。
パソコンやスマホは若い人だけが使うものという価値観は古く、私たちの生活に欠かせないものとなっています。
特に食品に関してはコロナ禍が大きな影響となり、特に高齢者のインターネット売上が大きく上昇。インターネットで食品を購入する習慣が根付いたきっかけとなりました。
中小企業の食品メーカーが生き残るためのポイント
人口構造の変化、購買経路の変化、大手の寡占化などが進み、中小企業の食品会社は今までと同じやり方では状況が好転することはありません。
ここでは中小企業の食品メーカーが生き残るためのポイントを解説します。
成長途中の市場にいち早く参入する
中小企業が大手企業よりも優位に立てるのは「意思決定スピード」です。大手がはじめない内に、成長途中の市場にいち早く参入することで優位に立てる可能性が上がります。
その際のポイントは、成功している同業他社のモデルを真似て、まずは始めてみることが大切です。もちろん新規事業ですぐに儲けを生み出すことは難しいですし、芽が出ずに失敗する可能性もあります。それでも挑戦し続けることで、新たなビジネスチャンスを掴めるようになります。
大手量販・卸メーカーに依存しない
大手量販店からOEM商品などの仕事を請け負えば、売上は安定するかもしれません。しかしながら、いくら良い商品を作ってもあくまでも自社商品ではないため、自社のファン獲得にはなりません。むしろ、納期・製造ロット数・製品の仕様・価格など厳しい要求を飲まざるを得なくなります。
大手量販店には他にも取引をしている企業があるため、代わりはいくらでもいる状態ですので、要求を飲めなければ他に乗り換えられる可能性も否めません。
そのため徐々に大手との取引額の割合を減らし、新規開拓・新商品開発に力を入れていく必要があります。
遠隔地、大商圏に対して自社商品を直接販売する
インターネットの活用はすでに世の中に浸透していますが、自社がまだ対応しておらず、対面販売や直接取引しか行っていないのであれば、速やかに対応するべきでしょう。
地域の商圏人口が減少している中、インターネット・カタログなど遠隔で商品を販売することで、商圏を全国に広げることができます。
ただしオンライン化に対応するとはいえ、単に大手ECプラットフォームへ商品を出品するだけでは、大きな期待は見込めません。オンライン化に対応するのであれば、ECサイト向けの商品を開発したり、プラットフォームを使わずに自社商品を直接消費者に届けるような仕組みを整えることが重要です。
食品メーカーが取り組むべき5つの大商圏化ビジネス
これから中小食品メーカーが生き残るためには「大商圏化」「オンライン対応」がキーワードです。この2つのキーワードに基づき、今からチャンスがあるビジネスの具体例は以下の5つです。
- SNS映えする商品を開発し大手プラットフォームに出品する
- 海外向けB2Bプラットフォームを使って輸出する
- 見積もりサイトを運用しオンライン上で集客する
- 飲食店のレトルト商品をオンライン上で販売する
- 業務用パッケージ商品を業務用のネットショップで販売する
これらのビジネスモデルが自社で運用できるかどうかは、各社の商品構成や特徴にもよります。また売上を伸ばすために数年掛かるものもあります。
当社では、こうしたビジネスモデルの提案も行っており、収益化するまでの実務コンサルティングも手掛けています。
すでに収益化につながっている企業の事例などもお話できますので、興味をお持ち頂いた方はぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
少子高齢化、産業構造の変化に伴い、中小食品メーカーの多くは厳しい状況に置かれており、今までのやり方から脱却するフェーズに差し掛かっています。
新しいことを始めるのは勇気がいりますが、今世の中が変化していることをチャンスと捉えられるかが重要なポイントです。
事実、コロナ禍で75%の食品メーカーが売上を含めてマイナス影響があったと回答していますが、中にはプラスの影響が出ていると回答した企業も確実に存在しています。
特に現在、国や自治体でも食品メーカーの新規事業や海外展開を支援する補助金・助成金制度が多数う存在していますので、そうした制度を上手く活用することで新たなビジネスチャンスを掴めるでしょう。
もし「どのように進めたら良いかわからない」といったお悩みをお持ちでしたら、いつでもお気軽に当社にご相談ください。
当社では事業計画書の策定、補助金申請、実務支援など、中小食品企業の事業成長をサポートします。いまならオンラインセミナーも実施中ですので、以下の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。